TMCにて4/22まで行われていたリバイバル公演に参加してきました。
過度なネタバレにならないように書きますが、今回は主観での語りが多いのでご了承ください。
倫敦大法廷殺人事件
時は19世紀末。
倫敦の大法廷で突然起こった殺人事件。
その容疑者となったのは、日本から留学中の新米弁護士、成歩道龍ノ介。
あらゆる証拠や証言が龍ノ介の犯行を裏付けている。
あなたは龍ノ介の無実を信じ、その不可解な事件に立ち向かう弁護士。
陪審員の評決が下されるまで残り1時間。証拠を吟味し、現場検証し、
名探偵シャーロック・ホームズと共に
この絶体絶命の状況から逆転無罪を勝ち取れ。
結果
まずは結果です。
今回の倫敦大法廷殺人事件……
脱出成功!
ただ個人的には何もできなかった感が強くある意味失敗です。
参加回は全15チーム参加で、その内4チームが脱出成功となりました。
参加回だけを見ると脱出率は26.7%で、思っていたよりも脱出率が低いと感じました。
ただ、実際にプレイしてみてわかりましたが、普段のリアル脱出ゲームであると思っていると分かりづらい部分があります。
謎の難易度
上で分かりづらいと書いてしまいましたが、実は謎そのものは難しくないです。
この公演はリアル脱出ゲームというよりも、「リアル大逆転裁判」と言った方がしっくりときます。
普段は「謎を解く→新しい問題をもらう」を複数回行ない物語を進めていきますが、今回は「証言と証拠品のムジュンをつきつける」ことで、証言内容が変わったり新たな証拠品が出てくる、ゲーム本編の逆転裁判シリーズを踏襲したものとなっていました。
したがって、考えるのは普段の「謎や暗号を解き明かす」ではなく「証言と証拠品のムジュンを指摘する」ということになります。
分かりづらい要因
これは最初の時点で毎回言われるものですが、今回は何よりも情報共有が重要となります。
これだけなら普段と同じです。
しかしムジュンを指摘する関係上、ゲーム本編と同じく証言が上書きされていきます。
ゲーム本編は1人プレイなので物語の全容を自分が把握できていますが、今回はそうはいきません。
ムジュンに気付いたら全員に確認を取るようにと、最初にアドバイスがありますが、今回完全にそれを無視して進めてしまう人がいました。
これにより他のチームメイトが状況を掴みづらい状況が発生してしまい、途中で大きな情報整理タイムが必要になりました。
演出
コラボものはみんなそうですが、オリジナルのオープニングとエンディングがあります。
コラボ公演で使われている映像は元からあるものを使い回していますが、今回はゲーム画面をそのまま使っているので、画面下方にセリフが表示されます。
そもそも逆転裁判シリーズの法廷パートは被告人以外は基本的に決まった絵の使い回しなので、セリフが新規に書かれたものになっていることで今回のものは使い回しではなくオリジナルのものということになります。
映像こそゲームに忠実ですが、1つだけ違う部分があります。
それは「声」です。
ゲームにもボイスは入っていますが、アニメーションムービーの時と「異議あり」などの限定的な部分のみです。
しかし今回の公演、オープニング・エンディング共にフルボイスです。
フルボイスにすると、寡黙なイメージだったバンジークス検事がかなり饒舌で驚きです。
まとめ
題名こそ本編の「〜冒險」ではないですが、この「倫敦大法廷殺人事件」は追加シナリオ1話だと感じました。
ゲームのDLCとして考えてしまうとかなり高いですが、体験型イベントとセットで追加シナリオを体験したと考えれば十分お釣りがきます。
リアル脱出ゲームへの懸念
上記の「分かりづらい要因」の項目で触れたように、自分本位の参加者が増えているように感じています。
ナゾトレ等のテレビ番組の影響もあり現在は「謎解きブーム」が来ています。
新規層が入ることは非常に喜ばしいことです。
しかし「自分が主人公で自分以外は主人公を引き立てるモブ」と考えているとしか思えない人がいます。
勿論、リアル脱出ゲームは自分達が主人公になるゲームです。
しかしそれは自分1人が勇者というわけではありません。
よく見るパターン
そんな勇者様に多いのが『全て自分で抱え込む』です。
全ての問題を自分が解かないと気が済まないので、出ている情報は全て囲ってしまいます。
誰も手を出していないものを持っているならマシですが、他の人が考えているものをかすめ取ってしまいます。
年齢層
上下幅は結構ありますが、ブームに乗って来た高校生がこの勇者様タイプによく当てはなります。
3月に参加した『終わらない学級会からの脱出』で出会った高校生は、みんなで楽しもうという感じで好感が持てました。
しかし、それ以外に出会った高校生は残念ながら「謎解きできる俺頭良くてカッケー」って感じでした。
高校生にとって参加料3,000円は大金です。
大人でも1時間の体験のために3,000円は高いと感じることもあります。
その大金を払っているので、「自分が勇者で当たり前」と考えてしまっているように感じます。
scrapが考えるべき事
4/27から東大のAnotherVisionとのタッグでの作成で話題性もあるシャドーバースコラボ、5/11からはチケットが瞬殺だったFGOコラボと、有名タイトルとのコラボが続きます。
この辺りはやはり新規層をターゲットにしたコラボなのが目に見えています。
特にこの2つはスマホアプリが元なので、勇者様タイプの増殖が考えられます。
知らない人とチームを組むというのを理解して、モラルを持って参加するようにして欲しいところです。
scrapはこの1年で手を大きく広げています。
しかしその規模を見誤っている部分があります。
リアル脱出ゲームは性質上、同一公演に参加は1回限り、チームで参加しているという自覚を忘れないように、というように参加者のモラルの部分で守られている部分が大きいです。
それが出来なくなってきています。
つまり運営側の影響力は及ばなくなってきていることを示しています。
そのことからscrapは今後、公演のクオリティが落ちないように何らかの手を打つ必要があります。
例えば勇者様が増えていくと、その勇者様と初見の人がチームになった時、初見の人は何もさせてもらえず「つまらないので2度と来ない」となってしまいます。
そのようなことにならないように、参加者に対しての声掛けてはこれまで以上に強化したり、特定公演だけでなく初心者卓を用意したり、場合によっては勇者卓も用意する必要があるかもしれません。
長々と書いてしまいましたが、リアル脱出ゲームが大好きだからこそ、新参には来て欲しいです。
しかし勇者様が降臨することで、これまでとは違った憂鬱な時間になってしまうのが残念でならないので、書かずにはいられませんでした。